インソールの発祥は

1920代のアメリカから始まったとされています。

現在では靴の中のサイズを調整するため、歩く時の衝撃を吸収するため、蒸れないようにするためと様々なものが販売されていますが、一般的なイメージとしてフットケア、足のトラブル用のインソールと云えば、アーチ(土踏まず)をサポートするものが広く知られています。

インソールの種類

協会独自に大きく4つにインソールを分類してみました。

インソールは商業利用されるようになってきたここ20年間でさまざまな種類が市場に流通するようになり、利用者は、選ぶことがむずかしくなってきています。その違いを知ることで、インソール選びの参考にしてください。

オーダーメイドインソールタイプ1(トレッキングタイプ)

足型を石こうやスポンジ、もしくは3Dプリンターで取り、足にピッタリのインソールを作るもの。

これは足から上半身に伝わる力を最適化して、力が入りやすくするもので、業界では『トレッキング用』とも言われています。

また一か所にかかった足圧を分散し、足全体に体重が乗りやすくなるため、指関節や、魚の目、タコなど偏った足圧で痛みが出る症状などの軽減に効果的です。

このタイプは病院での義肢装具士さんやシューフィッターさんが作るインソールに多く、出来上がり後に調整をしてくれるところも多いのですが、あくまで足に合わせるインソールです。また病院で治療目的で取り入れられているものは保険が適用され、その製作費用がかえってきます。

しかし、その素材はコルクやスポンジで出来あがってきますから、素材の耐久年数を考えても、1年半から2年で買いかえなければ、インソールに劣化や歪みが出ますから、オーダーメイドで足に合わせ、調整をかけた効果がなくなってしまいます。また、5年もたてば姿勢も変わりますから、やはり、定期的に作り替えていかなければいけないでしょう。

また保険の適用は2年に1回程度であったり、片足しか無理というところもありますし、持ち込んだ靴やその場で勧められた靴にしか使用できなかったりとある程度の制限がついてしまいます。

価格帯としては自己負担で2万円~4万円程度が一般的です。靴屋さんなどで作ってもらえるインソールであれば、5,000円~20,000円程度。なかには靴とセットで20,000円~50,000円程度が多いのではないでしょうか。

オーダーインソールタイプ2(アーチバランス補整タイプ)

これは、足型を取りインソールを作ることは一緒ですが、その足型からアーチバランスを計算し土踏まずの中央部分や横アーチ部分を持ち上げ、バランスを補整しサポートするものになります。

足にかかる足圧も分散され指に力も入りやすくなるため足のトラブルに効果的です。

特に横アーチのサポートに強く、浮指対策や足先のトラブルの軽減に優れています。一般的にイベント展示会商業施設などで、販売員さんが販売されているものはこのタイプが主流です。また最近では、整体院などでインソールを作ってくれるタイプも、これに近い仕様のものが多く見受けられます。

価格帯も様々で3万円程度~20万円程度まであり、その素材や製作工程、保証内容により異なります。販売に立つスタッフはシューフィッターさの資格を持った方や、メーカーから指導を受けた人が多いようです。

注意点は特に販売スタッフに資格は必要なく、誰でも販売が可能な点です。もちろんお医者さんではないので足のトラブルを診断することは出来ません。しっかりと信用できる場所とメーカーさんから購入することをお勧めします。

またオーダーメイドと云いながらその証拠を提示しない業者さんも多く、例えば足型を取ってお客様の足の模型を作ってそこから作りますといった業者さんには、そのオーダーメイドの元となった、模型の実物を受け渡しする時には見せてくれるような所であれば安心です。

難点としては上記のように多種多様なメーカーが多く、どれを選んでいいかを迷うこと。またイベントや展示会、催事といったスポット販売になるのでアフターケアの部分で心配が残ります。保証は半年から1年間が一般的です。

既製品インソールタイプ1(アーチサポートタイプ/疲労軽減タイプ)

これが一般的に一番多くの方に知られているタイプのインソールで、価格帯も1,000円~5,000円程度。薬局やシューズショップ、各商業施設などで多く見かけることもあるのではないでしょうか。

素材によっては2万円~3万円程度のものもありますが、基本的には、安価なものが多く、素材はスポンジや柔らかいゲルタイプ、ゴムでできているものがほとんどです。

通常の足のサイズに合わせてアーチをやさしくサポートしてくるものや、クッション性に優れており、緩衝材として足の負担を軽減してくれるものが多く、足の痛みや足の疲れを感じる人が多く利用されています。

難点としてはその素材の使用可能期間が短いことです。早いものであれば3ヵ月程度でだめになってしまうものもあります。しかし、とりあえずの一枚としては一番手ごろでありやすいものですから、ここからスタートしてみるのもいいかもしれません。

既製品インソールタイプ2(距骨支持/矯整タイプ)

このタイプは日本ではまだ少ないのですが、考え方としては今悩まれいる足にぴったりのインソールを作るのはなく、理想的な足型や重心バランスの上に自分の足を置いて生活し、インソールの方に自分の足を少しでも近づけていくものになります。

アーチを持ち上げて、バランスを整える(重心を中央に寄せる)というよりは、骨格で重心を取れるようにするタイプ(かかとなど)になります。

使用される形状としては足病学、成形靴技術を元に形成された芯材といわれる固い素材を用いて、踵全体で体重を取れるようにする工夫がされています。素材自体は、鉄や特殊なプラスティック樹脂を使用しますから、ゴムやスポンジ、コルクで作られたインソールよりも耐久性が高くいのが特徴です。

日本フットケア姿勢協会では、現状を楽に歩ける、足やカラダに合わせたインソールではなく、カラダに違和感を与え、姿勢を改善することを目的として活動を行っていますから、矯正タイプのインソールとしては、こちらをおすすめしています。

主に重心を距骨といわれる足首の前部に作り、アーチを作る距骨、舟状骨、立方骨、楔状骨、踵骨を整えるものが多く、期待できる点としては立った時歩いた時の姿勢を大きく変えることが出来ることであり、それにより、骨盤の位置を補整し足元にかかる足圧を変え、正しく足を稼働させることが比較的容易になります。

もちろん、履けば姿勢が全て整うというものでもありませんから、カラダの動かし方も合わせて見直していくことも重要になります。

ですから、履き心地を求める方には適していません。カラダを変えたい、足や姿勢をすこしでも変えて、改善させたいという方にはおススメできるインソールです。

また、こちらのタイプは、姿勢を変えていくタイプになりますから、スポーツなどには適していません。あくまで普段履きとして使用した方が良いでしょう。スポーツをされたい人は、今の足に合わせ、今の姿勢でパフォーマンスを上げることができるようにするインソールを使用することをおすすめします。

※このように、インソールは、どれが良くて何が悪いというものではなく、目的や用途に合わせて、使い分けることがトレンドになっています。

強いて良し悪しがあるとすれば、インソールというよりも、売り手の販売の仕方ではないかと感じます。

※インソールタイプの分類は協会独自のものになります。ご了承ください。