オーダーインソールを買うときに大切な5つの判断基準
こんにちは、フットケアは姿勢づくりから。日本フットケア姿勢協会の山本です。
私はインソールの販売員からこの仕事をはじめ、整体を学び、それでも飽き足らず協会を立ち上げ、独自にインソールも作って、年間未だに2,000人以上の足でお悩みのお客様と向き合っています。
私の教科書はというと、学術や学問的なところというよりは、いつも現場のお客様の声でした。業界の常識がどうであろうと、お客様がNOと言えば、NO。試行錯誤を繰り返して今に至ります。
そして、さまざまなインソールメーカーの提供する商品を取り扱うことで、インソールや足、姿勢のことを学んできた経緯があります。
そんな私が今日お伝えしたいのは、
高額なオーダーインソールを購入する際に、騙されないようにするための注意するべきこと
この記事を最後まで読んでいただくことで、以下の失敗しない5つの判断力が身につきます
- どこがオーダーなのかを理解する
- 補整と矯正の違いがわかる
- 耐久年数のウソを見抜く
- オーダーで作ったという証拠を提示できるかを確認する
- 販売員の姿勢や体形をみる
どうしてこれが、判断基準として大切だと言い切れるかというと、その理由は、
多くの不明瞭で不親切、適当な売り手側の都合を、数多くみてきた経験があるからです。
1,000円程度のものから200,000円するようなものまで、いろいろなインソールを実際に扱い、メーカーごとのウソとホントを見てきた私だからこそわかることがあるからです。
ここで勘違いしてほしくないのは、インソールは素晴らしいものだということを前提にお話しをさせてください。
インソールを作る職人のみなさんは、誰もが自分の作る商品に情熱があり、少しでも多くの人の足のトラブルや悩みを解消したい、という思いをもたれている方が多く、それぞれの商品には特徴や特性があります。
元々は、義肢装具士やシューフィッターが専門で扱っていたインソールが、商業利用されるようになり20年。誰でも扱えるようになったこの商材は、ますます複雑に多様化し、何が正しいのか分かりづらい分野になりつつあります。(きっと売っている本人たちもそう思っている人がいるはずです)
つまり、それはヘルスケアの分野に商業利用され、誰もが扱える商材になったことで、「売りたい、どう売るか」が先行して、そのインソールでできること(特性や特徴の範疇)を越えるような消費者への説明が行われるようになってしまったことでもあります。
では、それらを踏まえて、消費者側はどのような理解を持ち合わせて、インソールの購入を検討すればよいのか?
もっとも私が大切だと思う5つの判断基準を、具体的にその理由とともに解説していきましょう。
どこがオーダーなのかを理解する
一般の消費者は、『オーダーメイド』だと言われればそこで思考が停止してしまいます。何が?どこが?とはならず、オーダーインソールは全て一緒に感じてしまいます。しかし、このオーダーという言葉がクセモノです。
私たちのような専門家が、オーダーメイドインソールと聞くと、「どの部分だろう?」と考えるのですが、それは、
- サイズを測るだけなのか
- 横アーチを持ち上げるクッションの位置を調整するだけなのか
- 土踏まずを持ち上げるだけだけなのか
- 足型から模型を作る、もしくは3Dデータをとることで、それにそってインソールを形成するものなのか(足にピッタリか矯正をかけるかはメーカーによる)
どうでしょうか?インソールの知識がなくては思いもつかないことだと思います。
しかし、これら全てがオーダーメイドだといわれるものになります。
大切なのは、オーダーメイドの内容と販売員の説明に違いがないかを判断することです。
「あなたにピッタリのインソールをお作りします」
でも内容は、クッションの位置を調整するだけ、土踏まずを持ち上げるだけ。これでは説明とオーダーメイドの内容に勘違いが生まれやすく、「なんか聞いた話と違う」となりかねません。
補整と矯正の違いを理解する力
補整というのは、今を整えることです。インソールでいうのであれば、今の姿勢、今の足にピッタリのものを作って、アーチバランスの部分を調整することで楽に歩けるようにするもの。そして足の状態を良くする。
矯正というのは、今の足、今の姿勢を変えるもの。足に違和感を作り、アーチバランスというよりも重心を変えて、カラダの使い方自体を変えていくもの。そして足の状態を良くするもの。
どちらも良くするものではありますが、使われる素材や強度、バランス、形成の過程がちがいます。
つまり、この2つは交わることが基本的にはありません。
違和感を与えて矯正になるけど、今のカラダと足にピッタリのもので楽に歩ける。
こういったものはないということです。
どうしても、オーダーメイドと聞くと、何でもできる魔法のように聞こえますが、しっかりと判断することが大切です。
説明を受けた商品の特性を良く聞いて、ご自身が何を求めるのかと照らし合わすことで、判断する様にしてください。
どちらも良いように言う販売員の言葉を信用しないようにしましょう。
耐久年数のウソを見抜く
基本的にオーダーメイドは、足を測って形成するものです。数ミリ、数センチの単位で。ですから、これがヅレてしまってはオーダーメイドの意味がありません。
インソールの素材は、スポンジ、コルク、ゴム、プラティック樹脂が基本ですが、スポンジであれば半年から1年程度、コルクやゴム、プラスティック樹脂であれば2年程度がその素材の耐久年数です。
2年に一度、最長で3年に一度は調整や買い替えが必要になります。
10年使える。一生モノ。こういった説明をするものは信用しないでください。これは、営業トークの最たるものです。
オーダーで作ったという証拠を提示できるか確認する
昨今のコンプライアンス強化などから、百貨店などではお客様に不明瞭な商品は取り扱いをやめる店舗が増えています。
オーダーインソールも同様です。
オーダーメイドだ!と言われると、そうなんだ。と店舗側も、消費者もその言葉を信じるしかない、というのはおかしいということです。
接客を受けた際、足型を石膏やスポンジでかたどったなら、それを用いて作った足の模型があるはずで、商品の受け渡しと同時に実物を見てもらう必要があります。
サイズを測ったなら、右と左は数ミリ違うわけですから、このように左右それぞれ、しっかり作りました。
など、その証拠といえるものがなくては、オーダーメイドだと信用することは難しいと感じませんか?
作ってみたけど、足に合わない、カラダに不調がでた。本当にオーダーメイドなのか?と聞かれたとき。その証拠を提示できない、店舗や販売会社が非常に多いのに疑問を感じます。
逆にこの部分をきちんとしているところは信用ができる、というひとつの判断基準になるわけです。
販売員の姿勢や体形をみる
やはり、経験や知識の差こそあれ、一般の方よりも足やインソールに詳しいはずの業界従事者であれば、普段から姿勢や体重の維持を気にかけて当然です。
現に私がお会いしてきたプロの皆さんはそうでした。もちろん体質的なものや、生まれつきのものはありますが、せめて普通であってほしい。
私の経験上、怪しいトークをしている人ほど姿勢が悪く、不摂生に思われるような太り方をしています。
そんなのは、関係ない!という人もいるかもしれませんが、私からしたら、意識が低い、説得力がないと思ってしまいます。
そこまで良いこというなら、あんたはどうなんだ?というのが消費者側の思うところではないでしょうか。
以上、注意するべき判断基準を5つ挙げさせていただきました。
言われてみれば分かるけれど、考えたこともない。そういった内容だったかと思います。
1万円を超えるようやインソールは買うには勇気がいるものです。しっかりと自信をもって選ぶことができるように参考にしてみてください。
もっとインソールについて知りたいという方は、インソールの種類について協会ならではで分類した記事がありますから、こちらも合わせて読んでみてください。
ご長読いただきありがとうございました。
またお会いしましょう!
一般社団法人日本フットケア姿勢協会
代表理事 山本隆史